開催レポート

2018年7月4日

渋谷区おとなりサンデー 2018年6月3日のレポート<後半>
〜まちの企業が、会社の枠組みを超えてまちに出会う〜

6/3 渋谷おとなりサンデーの企画をハシゴする取材の、後半をお届けします。
前半に訪れたまちでは、それぞれの地域住民が活動している姿が魅力的でした。午後からは、お店や企業として参加しているみなさんのもとへ向かいました。

スクランブル交差点が象徴する、いつもの渋谷の風景です。
信号が青に変わると、足早に散る、人々。


「誰が悪いわけでもなく、冷たいわけでもなく、ただ、情報量が多いから、閉ざすしかないのだなぁ」と思いながら、交差点を渡りきると、何かがいつもと違うように感じます。


目に飛び込んできたのは、渋谷おとなりサンデーの大きなパネル!

自分にとって親しみのあるものがあるだけで、まちがちょっと温かく感じるようです。


13:15 おとなりサンドを味わうサンデー!
日々の営業が、つむいでいるもの

渋谷区渋谷、青学も程近いこの辺りは、オフィスビルにマンションも多く混在しており、渋谷の中では比較的落ち着いた地域。日曜日の昼下がり、人影はほとんど見当たらない中、歩いていきます。

シェアオフィスのビルの1Fにある街角コーヒースタンド「サンドイッチとコーヒー ampere」が、近隣2店舗とコラボして、この日限定のサンドイッチが楽しめるということで伺ってみると…。


できたてボリュームサンドを配達にきたお兄さんに遭遇!


奥で楽しそうにおしゃべりしている女性たちに「友達同士ですか?」と声をかけると「今、ここで出会いました」と、やはり笑顔。


日常から、ご近所づきあいや交流がある様子と、場が持つ温かい雰囲気が見てとれました。
道路に開けたテラス席の空間設計と、美味しい珈琲を淹れてくれる店長さんが起点となって、自然に人とのコミュニケーションを誘発することを感じさせます。

「サンドイッチとコーヒー ampere」を経営するのは、株式会社ワット。プロジェクト・マネージャーの庄司真帆さんのお話を伺うと、
「リズムの早い渋谷の街で働き、暮らす皆さんが、いつでも、手軽に、美味しい食事ができるようにということで、サンドイッチとコーヒーのお店にしました。手作りにこだわった自家製のサンドイッチを、毎日ご用意しています。」


その後も様子を伺っていると、オフィスへ仕事に来ていた方も、パソコンを片手にテラス席へやってきたり、「やっと来れました!平日は忙しくて!」と、近くの印刷会社の方が遊びにきたり。


「正午には、近隣の人もたくさん来ていましたよ」

ゆるゆると、日曜日の午後にいい時間が流れていました。


「美味しいサンドイッチとコーヒー」が、オフィスとまちを繋ぎ、働いている人と遊びにくる人、近隣の方をもつなぐ。日々の運営が、今日の企画に繋がっていることを感じました。


14:05 恵比寿駅《番外編》
おとなり力の低いトイレ

次に向かうのは、恵比寿です。15時までにいかないと企画が終了してしまうため、タクシーで一足飛びに向かうか、電車で行くかを迷いましたが、「渋谷区」というまちの温度を感じていたくて、電車に乗ることにしました。

恵比寿駅の公衆トイレに立ち寄ると、「チャリン」。どうやら、ポケットからお金がトイレに落ちたようです。立ち上がり「100円玉だ!」と確認がとれるや否や、自動トイレの水が流れ、100円は
あっという間に吸い込まれていきました。
「100円を拾うか、拾わないか、迷う隙も与えない自動トイレ」に「おとなり力、低めだな…」などと思いながら、とにかく次へと急ぎます。


14:15 あおぞらピンポン@恵比寿 景丘公園
内でやってることを、外に出そう!

恵比寿の顔といえば、恵比寿ガーデンプレイスが有名です。こちらの開発を手がけたサッポロ不動産開発株式会社が、次なる「恵比寿のまちづくり」を考えるべく、2017年4月に「恵比寿まちづくり部」が立ち上がり、恵比寿で働くビジネスパーソンのコミュニティをつくり、ワークショップを重ねながらプロジェクトを構築中とのこと。この日も、恵比寿まちづくり部のみなさんが、恵比寿ガーデンプレイスのすぐそば、景丘公園で「あおぞらピンポン」を開催していました。


今回の企画アイデアは、一体どこから?

「スポーツは世代を超えたコミュニケーションができるし、知り合いの会社が社内に卓球台を置いて、盛り上がってると聞いて。しかも、ふだん室内でやるスポーツだから、外だとまた楽しさが違いそうですよね。また来年も違う場所でやりたいです」

なんでも、卓球台は社会教育館が所有しているものをトラックで搬入したそう。


ピンポンを楽しんでいるのは、ご家族、カップル、友だち同士。小さい子どもから、お年寄りまで。台が空くと、次のプレイヤーが自然に加わります。卓球は、世代も超えるスポーツみたいです。


赤いテントの下では、レモネードスタンドが大盛況だったそうです。
ブースは、サッポログループのポッカサッポロフーズ&ビバレッジ株式会社の協力のもと設営され、夏の暑さとなった当日、予定の50杯は早々に完売。子供達からも「美味しい!」との声を上がっていたとか。

私が訪れた時にはすでに撤収されていた、レモネードスタンド。

「売上は、小児がん支援に使われるんですよ」 ※詳細はこちらをご覧ください。

美味しさや、嬉しさが誰かの役に立つなんて、とても素敵ですよね。

さて、恵比寿まちづくり部が立ち上がって1年ちょっと。活動もますます盛り上がりそうな予感ですね。

「まちへのコミットが増えて、これまで全然恵比寿のことを知らなかったことに気がつきました。今後、まち歩きなんかもしてみたいと思っています」

ビルのなかで忙しく働いていると、まちとの関わりは、せいぜいランチや居酒屋さんに終始しがちです。
恵比寿のまちの未来をつくるために、恵比寿をまずは歩くこと。とても素敵だし、このコミュニティを起点に、今後、恵比寿のまちの魅力も、より一層拡充されそうです。


14:35 Living 公園
社内のおとなり力も高まるサンデー

最後は、株式会社リビタの企画へ。



「白いトップスと、デニム」というドレスコードで揃えたリビタ社員のみなさん。有志の社員でイベントを切り盛りされていました。


歩道の一角に人口芝生が敷かれ、素敵なガーランドや、お花のデコレーションが目を引きます。通りすがりの人も、思わず立ち寄らずにはいられない素敵な雰囲気ですが、こちらは一体何をしているのでしょうか?


「自分が持っている“渋谷区おすすめ情報”と引き換えにお花をプレゼントしています」



渋谷区が好きで、渋谷に関わる人みんなの間で“ギフト”が循環する仕組み。

リビタは、京王電鉄グループで不動産資産の利活用や地域連携事業、リノベーションなどを手がけているだけあって、さすがの企画力です。

「まちかどの空間演出にもこだわりました。そんなに凝ったことはしてないのですが、工夫次第でいつもと違った風景になることを楽しんでもらえたらと思います」


ブースの片隅で、ビールを片手に、コミュニケーションを楽しむリビタ社員やふらっと訪れた方の楽しそうな姿も魅力的でした。(そして私も、エビスビールをご馳走になりました)


上司と部下、同僚みんなが、この笑顔。仕事中、職場内では、なかなか難しいのではないでしょうか?まずは、職場内の温度を上げて、職場内でのおとなり力をアップする。すごく大切なことだと感じました。

お花の写真を撮っていると、ミツバチも遊びにきているのを発見!(右下)


明日から、おとなり力を高めるTips

「おとなり力って、一体どういう成分でできているんだろう?」そんなことを考えながら、渋谷区の北から南までを巡った1日。いつもと違った気持ちで「渋谷区」を眺めながら、やっぱり素敵なまちだと思いました。
そしてますます「おとなり力」を高めて、自分にとって居心地のよいまちにするために、明日から今すぐにできること、今後時間をかけて取り組んでみたいこと、紡いでいきたいこと、いろいろあるように感じました。

最後に、「おとなり力を高めるTips」を提案して、レポートを終わりにしたいと思います。
みなさんの「おとなり力を高めるアイデア」も、ぜひ聞かせてください。

おとなり力を高めるTips 10

難易度 ★
1) 休みの日に、家を一歩出る
2) お店の人に、「ありがとう」を言う
3) 町内会の看板の張り紙を眺める

難易度 ★★
4) 家のなかでやっていることを、家の外でやってみる
5) まちのお祭りやイベントに参加する

難易度 ★★★
6) すれ違った人に、笑顔で「こんにちは!」と言ってみる
7) ごみ拾いをする

難易度 ★★★★
8) 町会、PTA、青少年育成会などに入る
9) 休みの日にボランティアをする

難易度 ★★★★★
10) まちで、お店やさんを開く

text・photo 楢侑子(株式会社ナムフォト) / photo 渋谷おとなりサンデー事務局