2020年7月3日
渋谷おとなりサンデー 2020年6月7日レポート<後編>
「オンラインだからこそできる!」という繋がり方を、たくさん発見
6/7「渋谷おとなりサンデー」の企画をハシゴする取材の、後半をお届けします。
12:00【Zoom テーマ別交流】持ち寄りランチパーティー!
12時のお昼時になり、楽しみにしていた企画がスタート。屋上から登場の方や、恵比寿「鳥星」の100食限定弁当を手に入れた方、手作りミートソースパスタでランチのご夫妻など、色々な面々が集まります。
そんな中、「渋谷おとなりサンデー」の運営を統括している事務局左京泰明さんも、少しほっとした表情で登場。
「参加者さんのみなさんと、こうして顔を合わせてお話ができて嬉しいです」という言葉が、胸に響きました。
大掛かりなイベントのため、例年だと、当日、運営側はバタバタと駆け回っています。
オンライン開催とて、当然、参加者と全く同じ目線でイベントを見つめることは難しいでしょう。でも、オンライン上では、運営者も、初参加者も、ベテランも、公共の人も、町内会で役を持った人も、一律に、フラットに、同じ枠組みで出会うことが可能になる感覚があります。
初参加者の中には、ご自身が渋谷区で事業を行っており、地域の繋がりにも興味があり「どんな人がどんな風に運営しているんだろう?」と、覗きにきてくれた方の姿も。運営者の雰囲気や人柄を、参加者の方が直々に見ることができるのも、なかなか良いものだと感じました。
その後は、ブレイクアウトルームでランチ&交流会の時間を持ちました。
ここで、私的、事件が!画面の中を覗き込むと、「んん?なんか知ってる人がいる、、、けど、、、えっとーーーあーーーー!」みたいな具合に、4年ぶりに、大阪時代のおとなりさんに再会してしまいました(笑)。生活圏がすごく近いことが判明し、「どこかですれ違っていたかもしれませんね!」と。
さらに、渋谷おとなりサンデーの名物企画「ファイヤー通りでゴミ拾い」の主催者にもお会いすることができました。(毎年、取材時間が合わず、まだお会いしたことがなかったのです)
なんでも、「4年前の思いつきを、事務局の方たちが応援してくれたおかげで形にすることができて、さらに毎年続けているうちに、今年は、名古屋、京都、九州でそれぞれゴミ拾いの活動を行うリアルライフヒーローたちとオンラインで会合を持つことになりました!」と、なんとも、びっくりな展開。
オンライン上では、「日本おとなりサンデー」も実現できてしまうわけですね!
すごいなぁ。本当にこうやって、活動が繋がっていく様子を聞けると、胸が熱くなりますね。
13:00【Zoom 地域別交流】千駄ヶ谷・神宮前エリア
ランチ後も、午後のZOOM企画をハシゴします!
話題は、高齢者へのZOOM浸透について。
商店街や町会のお付き合いは、チラシやFAX、もしくは直接会って話すなどのコミュニケーションがメインでこれまで活動が行われてきましたが、コロナ禍において、あちこちで若手がシニアにZOOMの使い方をレクチャーするシーンが発生していました。
代官山で行われた、シニア向けZOOM講座に参加された方からの話題提供では、手取り、足取り教えてあげたら、シニアの方も、直に使えるようになったとのこと。
「ZOOMを使って何がしたいか?」という目標設定が明確な人は、慣れない操作や、煩わしさも比較的乗り越えやすいそうです。「孫と会える」というモチベーションで、LINEを使いこなすおじいちゃん、おばあちゃんも多いですもんね。
「繋がり」という目標や目的において、オンラインの利点を考えると、使わない手はないと感じさせられました。
繋がり記念に、思い思いのポーズで、パシャリ!
13:30【渋谷のラジオ】おとなりサンデーTALK 〜子育てのタテ・ヨコ・ナナメ
渋谷のラジオ、3本目の番組です。
私が番組を訪れたときは、フジタミホさん(渋谷papamama マルシェ)、住井美由紀さん、小林美香さん(母と子のふれあい子育てサロンスイミー)、代田佳恵さん(マミーズルームしろた)の4人のゲストが、子育ての悩みについて話し合っている最中でした。
ずばり、「食べ物の悩み」です。お母さん方からの、相談内容ナンバーワンだったりもするそう。親目線では、「ちゃんと食べないと、健康を害するのでは?」という心配は当然のことですよね。
専門家からは、「親がコントロールできるものではない。食べるか、食べないかは、最終的に子どもが決めること」といった責任範囲の助言や、「3回に1回は、休む」など、食事づくりで疲れてしまうお母さんたちへのねぎらいなど、色々な角度からのアドバイスが寄せられていました。
こうした子育ての先輩や専門家の方たちから、色々な視点で考え方をシェアしてもらることも、地域のなせる技ですよね。
「地域と、その未来」を考える上で、主役である「子ども」という存在。文字通り「タテ・ヨコ・ナナメ」を実現させるには、他にどんな仕掛けが考えられるだろう?ひょっとしたら、「親が子どもを育てる」という一方通行の矢印ではなく、子どもの声にも耳を傾けるなど、コミュニケーションの矢印を工夫してみるのもいいかもしれない、などと感じました。
13:55【Zoom 地域別交流】千駄ヶ谷・神宮前エリア
ZOOMの「地域別交流」では、一応、区域毎にタイムテーブルが切り分けられていたのですが、とは言っても、同じ渋谷区です。前後の時間帯に被って参加しながら、ゆるゆると雑談や交流が続いていきます。
この時間では、職場が恵比寿にあるという初参加者へ向けて、みんなで恵比寿の美味しい店情報をシェアするタイムが行われていました。この話題には、思わず、私も前のめりで参戦です(笑)。
現在、個人的に行ってみたいお店ナンバーワンは、「ふさ助」です!
わけありポーズで、記念写真!
14:15【Zoom テーマ別交流】みんなで子育て座談会
テーマ別交流会のラストテーマは、子育てについてです。前出の、ラジオにゲスト出演していた方々の姿も。
ブレイクアウトルームでは、純粋に子育ての悩みを持っているお母さんに対して、専門家たちがアドバイスを送るという、正にラジオ番組と同じ形でトークが行われました!
他のルームでは、なんでも「近所で、虐待かと思えるような様子を見受けるのだけど、どんなタイミングで、どこの誰に相談したらいいか分からないから来た」といった話題も登場したのだとか。
子どもへの、親御さん以外の大人の関わりしろという辺りにも、今回の交流会の意味がありそうです。
なんだか、楽しげな人たちが多いですね。
14:30【Zoom 地域別交流】氷川・新橋エリア
さて、くまなく企画をハシゴして参りましたが、ラストに訪れたZOOMがこちら。
この回では、渋谷ストリームの運営に関わる東急株式会社の社員さんや、恵比寿社会教育館の職員さんなど、公民それぞれの立場から渋谷に携わっておられるメンツが多め。「コロナをどう対策し、どう共存していくか」のそれぞれの判断や、対策などのシェアが行われて、しっぽりした大人の雰囲気に。
この3ヶ月弱の間で、オンラインのイベントは増えたけど、逆にリアルの価値を再確認できる時間でもあったとの見解や、リモートの知見が上がったからこそ、引き続き、おとなりサンデーもオンラインとオフラインの抱き合わせで、可能性が広がっていくことを期待するようなコメントなどが寄せられました。
個人的には、「人見知りなので、こんなにたくさんの人と、直接会場で出会うと、こんなに自分の意見や気持ちを話せない。オンラインの方がきちんと話せるなと思った」といった意見がツボでした。
フラットな場所だからこそ、できる対話。フラットな対話だからこそ、深まる理解や、繋がりがあるのではないか。
年に一回のイベントだった「渋谷おとなりサンデー」ですが、ムーブメントとしてのイベントは残しつつ、定期的に深い対話の場を持ったり、世代の違いや興味の違いを超えて、それでも共通する何か(まずは居酒屋でも、子育てでも)をきっかけに繋がりを持ったり、運営者も、時には参加者になってみたり、地域交流の新しいフォーマットとしてのオンライン。
「アリ!」というのが、全体を通しての、大きな感想です。
渋谷区は、コロナ禍において、自宅学習用に区内の公立小中学生へ一人一台タブレットを貸与するなど、まちとして、いち早く「オンライン」に取り組むなどの実績もあります。
地域の繋がりづくりも、今年を踏まえて、来年、どう進化し、深化していくのか、引き続き楽しみにしていようと思います。
最後になりましたが、1日に渡ってZOOMでの対話を進行された、加藤房秀さん、ニカモトハンナさんもお疲れさまでした!
写真・テキスト 楢 侑子(ナムフォト)